支え歩きもままならないむっちゃんですが、昨年のこの時期に「年内持たないだろう」の余命宣告から1年頑張っているんですから、たいしたたまげた生命力。血液数値から見れば「気持ち悪くてご飯を受け付けなくなっても不思議じゃ無い」所までは来ていますが、痴呆が出ていないから、食いしん坊だからこそでもありますが、むっちゃんも頑張ってますが、飼い主もいろいろ知恵をこらして、ぎりぎりのところで頑張ってます。

天然石タイルと自重でえぐれた褥瘡も、ドライ療法+αでずいぶん良くなってきました。その+αですが、浴槽に敷くマット買ってきて、(骨格的には違いますが)後ろ足のつま先からかかとがすっぽり入る穴を左右に開けて、体重が後ろ足に乗っからないようにしてみたんですよ。
当初は犬小屋で使っていた断熱材の発泡スチロールで拵えたものの、もがいて動くたびに砕けるのでボツ。
二代目が西友で売っていた浴室マット。2cmほどの厚みの発泡樹脂製で、表面・裏面に異なる型押し整形されていて、縦長スリットの水抜き穴があいたタイプ。これがカッターナイフで切れないし、カナのこでスリットとスリットをつなぐように長方形に切り抜いてみました。

たった2cmの厚みとは言いましても、体重がのらなくなりましたので、一番被害の大きかった褥瘡は傷もすぐに治まってほっと一息。スリット~スリットではちょっと前後左右が窮屈でしたから、電動レシプロソー買ってきて、アタッチメントのナイフを使って楕円形にくりぬいてみましたが…道具違うと楽ですねぇ。。。
それでももうちょっと厚みが欲しかったので、厚み4cmほどの発泡樹脂製の浴室スノコ買ってきて~これが三代目。まだ蒸し暑い日はガレージに出たがりますので…痴呆が出ていませんからワンワン催促してくれますので…ただいまはガレージと室内で、二代目・三代目を使い分けております。

この褥瘡対策が使えるのは、むっちゃんのように「後肢が自由に動かせない」「大きく重い」わんこに有効です。体の下敷きになりがちな後肢に、体重をかけないようにする事で、傷が癒えるのを妨げないと言う対処法ですね。弱ったとは言っても、まだ自由に動かせる前足は自由に動かせますし、擦り傷も出来にくく、食事や水もその姿勢で与える事が出来ます。そして「浴室用品」ですから耐水性がたかく=糞尿汚れに強いのがありがたい。。。
さらに言えば、お風呂マット流用は、前足元気で横倒しにならない、頭がぼけていない・痴呆が出ていない老犬用とも言えるでしょう。元々警戒心と自尊心の強いむっちゃんは、へそ天どころか横倒しで寝る事もまれな頑固者。横倒し・へそ天姿勢は「リラックスしている証拠」とも解釈出来ますが…最大の急所である腹部をさらしていますので、自由に身動きできない状態では、逆に「極度の緊張を強いられる」訳で…体側方向や足の内側に褥瘡・床ずれが出来る犬は、この姿勢から逃れようともがいて、すれている証拠。
できれば前足の踏ん張りがきいているうちに、体の両サイドにクッションあてがうなどして、出来るだけ「伏せ姿勢」が維持できるようにした方が良いと思います。

ご自宅で試される場合は、evaとかウレタンとかゴムとかいろいろな素材がありますし、お手持ちの道具では加工が難しいと思います。新聞紙などでわんちゃんの体と後ろ足の位置を型どり・図示して頂けば、こちらで加工して差し上げる事も。ただし、ハーネスと違って専門外の分野ですから、加工レベルには目をつむってくださいね。

でも完全に痴呆が出ちゃったら、前後左右に転がり落ちないようにして、腹ばい姿勢のまま前足も後ろ足もだらり垂れ下がらせておけば、褥瘡も出来にくくなりますし、出来ても治りが早いんですよね。そういった介護クッションも市販されていますから~ぼけて訳け解んない子…痴呆でお悩みの人が多い和犬・特に柴犬なんかにはおすすめですが~頑固でお利口なむっちゃんですと、たった2cmの高さの違いにさえ、交換当初はブーブー不平不満漏らしていましたから…載せることすら100%無理なお話し。。。