PALハーネス (特許第5511349号)
筋肉・関節・神経の悪しき相乗効果で、ほとんどの老犬は後ろ足から弱ってきます。
しかし後ろ足だけを支えると、背骨を通常とは逆方向に曲げることとなり、場合によっては脊椎や椎間板、神経などを痛める可能性があります。
なぜなら後ろ足の筋肉が衰弱すると同時に、背筋や腹筋の衰弱も進んでいるケースがほとんどで、また背骨が柔軟な猫とは異なり、犬の背骨は腹部方向には曲がりやすくても、逆側の反り返る方向には曲がりにくい構造になっているからです。
レギュラータイプのハーネスでは、首・胸・両足に加え、肋骨あたりを『X』字ラインで下から包み、支える独自の構造が特徴となっており、後ろ足を吊り支えると同時に、お腹回りを下からしっかり支え持ちますので、背筋や腹筋が弱った老犬の背骨に無理な力が掛からないように製作しております。
PALハーネスの各タイプ共通の特徴
多くの老犬介護用品では、重心に近い胴体背中側に持ち手が設けられていますが、垂れ下がった前後の足や、ぐんにゃりとたわむ背骨の分だけ、より高く引き上げなければ持ち上げることができません。また後足だけを支えるタイプのハーネスは前足にかかる体重負担が増え、さらに背骨をそらせますので、前足の衰弱、背骨と関節の変形による神経麻痺を、さらに助長しかねません。
PALハーネスは前足付け根の『肩胛骨ライン』と、腰〜尻尾付け根の『腰骨ライン』の2ヵ所に持ち手を設けて、老犬の背骨に影響を及ぼす事の無い自然な体勢で、大きく重たい老犬の体を持ち上げることが可能で、老犬の身体を自然な形で立体的に下から支えます。
安定した保持力と夏期の通気性、被汚染部分の最小化を図ったベルトと接合パーツは、国内一流メーカーの人間用服飾資材を使っております。常時装着していても犬の負担が少なく、汚れても簡単に洗濯できて、すぐに乾く25mm(または15mm)幅ベルト・ラウンドタイプのプラスチックパーツで、体にフィットすると同時に面圧を下げて、老犬の体をいたわるように受け止めます。
また雄雌ともに排泄の邪魔をしないデザインで、さらには数カ所の接合パーツ(バックル・一部ナスカン)は体の片方に集中配置していますから、寝たきりになっても着脱が用意です。
背中部分の『V』字形状によって、寝姿によって生じたハーネスのたわみやずれを、立ち上がり介助時や横臥する際に、自動で補正・復帰する工夫が凝らしてあり、さらに各ベルトには大きな調整幅を持たせ、簡単に長さの調節ができますので、「市販品ではサイズがない」「ぴったりフィットしない」そんな規格外や特殊体型でも、また薬や新陳代謝・持病の進行により極端に体重が増減し、肉付き体格が変わっても、体に合わせたこまめな対処が可能です。
PALハーネスの個別的な特徴
ライトタイプ(上半身) 装着の容易さを追求し、頸部はループ、胸部のみにバックルを配置。エクステンションベルトで、レギュラー同等の保持力。 |
ライト/セパレート(上半身) 左右反転使用のため頸・胸部ベルト長を均一化して接合可能とし、エクステンションベルト追加で、サポート力も向上可能。 |
||
レギュラータイプ(上半身) 装着ヵ所の簡素化のため、胸部1ヵ所のバックルで胸と片方の腹部サポートベルトを装着出来るよう工夫されてます。 |
レギュラー/セパレート(上半身) 頸部・胸部のほかに、独立分離した腹部ベルトをX字で交差。各ベルトに保護パットが装着できます。 |
||
レギュラー(腹部) 肋骨周辺で体をささえ、背筋力が低下してきた老犬の体を優しくホールドします。背骨の逆弓ぞりを防止する安心デザイン。 |
スタンダードタイプ(脚部) 内太股を支えて、後肢の衰えをサポート。雄雌ともに排泄を妨害せず、オプション追加でより優しく、しっかり保持も可能。 |
||
エクステンションベルト(オプション) 上半身がライトタイプ系ハーネスの追加オプション。レギュラー同等のホールド力で、老犬の体を優しくサポートします。 |
ダブルベルトタイプ(脚部) 尻尾の無い犬種や腹部に問題を抱える犬のために、太股全周で支えるWベルト構造。臀部が痩せ細った犬にも効果的。 |
※撮影用はオレンジベルトで製作しておりますが、実制作品は装着時の誤認を防ぐためにオレンジ・黒のコンビネーションカラーとなります。悪しからずご了承くださいませ。